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予防接種の基本とよくある5つの質問|大阪市福島区海老江 林クリニック

2025.09.26

「任意接種の予防接種ってどんなもの?」

「注射後の痛みはどれぐらいなら心配ない?」

「注射は苦手」という人は多いでしょう。しかし感染症のリスクは、年齢のほか、季節や流行状況によって変わります。最新の情報を確認しながら、計画的にきちんと受けておくのが感染予防の鍵です。

この記事では予防接種の種類や費用の考え方といった基礎知識を解説します。また、予防接種全般に関して、よくある質問とその回答をまとめました。

この記事を読むとわかること

・予防接種の種類や対象者

・自費接種の費用目安と大阪市の助成制度のポイント

・接種前後の注意点とよくある質問への対応

 1. 定期接種と任意接種の違い

予防接種は、大きく「定期接種(公費で受けられるもの)」と「任意接種(自己負担が基本)」に分かれます。前者は対象年齢や回数が決まっているもの、後者は生活環境や海外渡航など個別の事情によって検討するものです。

2. 世代別・目的別に見る予防接種の種類と受けるべき時期

続いて、子どもや成人、高齢者に接種が推奨されているワクチンについて説明します。

■子どもの定期接種一覧|生後2か月から始まる予防接種

乳児期から小児期の定期接種には、主に以下のような種類があります。

・ヒブ

・小児用肺炎球菌

・四種混合(DPT-IPV)

・B型肝炎

・ロタウイルス

・MR(麻しん・風しん)

・水痘(水ぼうそう)

・日本脳炎

・BCG

・子宮頸がん(HPV)

母子健康手帳や予防接種手帳に記載されている「標準的な期間内」に合わせて接種するのが基本です。

スケジュールが前後しても多くは接種可能ですので、「遅れすぎかな」と恐れず、一度医療機関にご相談ください。

■大人に必要な予防接種|インフルエンザ・肺炎球菌・帯状疱疹ワクチン

成人が対象の代表的なものが、毎シーズンのインフルエンザ予防接種です。

また、年代や基礎疾患により、肺炎球菌(特に65歳以上や基礎疾患のある人)、帯状疱疹(50歳以上が目安)などの感染対策も必要です。

妊娠を希望する人やその同居家族(風しん抗体検査・MR)、職業ごとに推奨されるワクチンもあるので、何を受けておくと良いかを個別に確認しておきましょう。

■海外渡航前に検討すべき任意接種|B型肝炎・破傷風・狂犬病など

海外渡航の予定がある場合、渡航先の流行状況、A型・B型肝炎、破傷風、腸チフス、日本脳炎、黄熱、狂犬病などの予防接種が必要になる場合があります。

複数回の接種で合計数週間を要することもあるため、出発の1〜2カ月前から計画するのがおすすめです。英文の接種証明書や母子手帳の英訳についても事前にご相談ください。

※参考:日本検疫衛生協会「予防接種チャート」

■新型コロナウイルス予防接種の現在

新型コロナウイルスのワクチンは、接種対象や間隔が自治体の方針で変わることがあります。最新案内を確認のうえ、わかりにくい点があれば医療機関にもお問い合わせください。

※参考:大阪市「新型コロナワクチン接種について」

2. 予防接種の費用と大阪市の助成制度まとめ

定期接種は原則として自治体の助成制度があり、自己負担なく受けられます(指定医療機関・対象年齢内などの条件あり)。

■大阪市の定期接種制度|対象年齢と公費で受けられるワクチン

大阪市では、0歳から18歳未満の定期接種を指定医療機関で実施しています。

対象年齢を過ぎると自己負担になる場合もあるため、母子健康手帳で期日を確認しましょう。

引っ越してきた直後や接種漏れがある人には、接種歴の確認と今後のスケジューリングを行います。医療機関にご相談ください。

■任意接種の費用|インフルエンザ・帯状疱疹・渡航ワクチン

任意接種の費用はワクチンごとに幅があり、例えばインフルエンザは、シーズンや年齢によっても価格が異なります(職場や健康保険組合が一部支援しているケースもあり)。

帯状疱疹や渡航ワクチンは複数回接種が必要な場合もあるので、合計費用を見込んでおきましょう。

■高齢者・子ども向けの助成制度

高齢者肺炎球菌やインフルエンザには助成が用意される年度があります。

また、子どもの風しん対策や妊娠予定の女性・配偶者を対象とした抗体検査・接種で支援が受けられることもあります。

制度はときどき更新されるため、最新情報は厚生労働省や自治体の案内ページをご確認ください。

※参考:厚生労働省「予防接種・ワクチン情報​」

3.予防接種に関するよくある質問と回答

最後に、予防接種に関するよくある質問とその回答についてまとめました。

Q1.今日の体温が37.3℃ですが、予防接種を受けられますか?

微熱でも接種できる場合がありますが、急な発熱や体調不良の場合は延期するのが無難です。来院されたら、医師が全身状態を確認し、打てるかどうかを判断します。

Q2.接種当日にお風呂に入ってもいいですか?控えるべきことは?

当日の入浴は原則として問題ありません。注射部位を強くこすること、長湯、過度な飲酒、激しい運動は控えましょう。

Q3.接種後に腕が腫れました。どう対処すればいいですか?

部分的な腫れや痛みは数日でよくなることが多いです。

部位を冷やしたり安静にしたりして様子を見つつ、強い痛みや広範な発赤、発熱が続く場合は受診しましょう。

Q4.英文の接種証明書は発行できますか?

可能な範囲で対応します。渡航先の要件(書式・記載内容・接種日数)を確認のうえ、事前にお問い合わせのうえ、ご依頼ください。

Q5.家族が接種を嫌がります。どのように説得すると良いですか?

副反応だけでなく「感染症そのもの」のリスクと予防効果を、冷静に共有することが大切です。

子どもの場合は、絵本や動画で接種の流れを説明したりごほうびを用意したりして、前向きな経験として臨める工夫をするのがおすすめです。

子どもと大人の予防接種も対応、大阪市福島区海老江の林クリニック

本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。

当院には内科・小児科の両方があり、定期・任意を含む各種予防接種に対応しています。ワクチンの在庫や費用、証明書が発行できるかどうかなども、お気軽にお問い合わせください。