帯状疱疹とワクチン助成ガイド|大阪市福島区海老江 林クリニック
2025.08.29「50代の同僚が帯状疱疹に…今流行っているの?どんな病気?」
「大阪市ではどんな助成が受けられるか知っておきたい」
帯状疱疹は、年齢とともに発症者が増える傾向にある病気です。2023年以降、大阪市を含む各自治体で50歳以上を対象とした公費助成が拡大。さらに今後、65歳・70歳など節目の年齢で定期接種として制度化される予定です。
この記事では症状や後遺症などの基礎知識と、大阪市の予防接種助成制度やワクチン選択の要点を解説します。
この記事を読むとわかること
・帯状疱疹の初期症状と受診の目安
・大阪市で受けられる助成制度と費用目安
・シングリックス/ビケンの違いと選び方
1. 帯状疱疹は何科?痛みや違和感があれば早めの皮膚科受診・治療を
帯状疱疹が疑われるときは「皮膚科」を受診するのが基本です。

■帯状疱疹の典型的な初期症状(ピリピリ、発疹など)
帯状疱疹の初期症状は次のように進行します。
・体の片側に「ピリピリ・チクチク」とした痛みや違和感
・数日後に赤い発疹が出て水疱へと変化
顔面や目の周囲に出ているのであれば、皮膚科に加えて眼科の受診が必要になるケースもあります。
■帯状疱疹の代表的な治療法
治療の柱は、抗ウイルス薬の投与となります。
痛みが強い・眠れないといった場合は、ペインクリニックで薬や注射による専門的な治療が必要です。自己判断で様子を見ず、早めに皮膚科を受診しましょう。
■早めの受診が後遺症(帯状疱疹後神経痛)予防に効果的
治療は発疹が出現してから72時間以内(遅くとも5日以内)に始めるのが望ましいです。
治療開始が早いほど長引かず悪化を防ぐことができ、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」などの後遺症リスクを下げられます。
2. 2025(令和7)年・帯状疱疹ワクチンの制度改正と大阪市で受けられる助成内容
帯状疱疹の予防接種では自治体の助成が受けられます。
■2025年度から定期接種対象に(65・70・75歳など)
2025年度から帯状疱疹ワクチンは「定期接種(B類)」となりました。対象者には自治体から接種券が送付されます。
原則「65歳」が対象ですが、導入から5年間は、経過措置として「70歳から100歳までのうち5歳刻みの年齢」も対象になっています。
■大阪市は生ワクチン(1回 4,500円)、組換えワクチン(2回 11,000円)
大阪市では任意接種の頃から助成が導入されており、これを定期接種制度と併用できます。
自己負担額は生ワクチン(=ビケン)が「1回4,500円」。組換えワクチン(=シングリックス)は「1回11,000円」で、2回の接種が必要です(市民税非課税世帯などには免除や軽減措置あり)。
■接種スケジュールと予約期間の注意点
組換えワクチンは2回の接種を、標準的に「2カ月間隔・最長6カ月以内」で完了させます。持病などにより免疫機能が低下している人は、1カ月間隔まで短縮できます。
大阪市の助成は「年度内に2回とも接種すること」が条件。よって、1回目を翌年1月末・2回目を3月末までに終えなければ、助成の対象外となることもあります。
助成制度については今後も更新される可能性があるため、最新の情報は厚生労働省や自治体(大阪市)、当院の窓口などでご確認ください。
3. シングリックスとビケン、どちらを選ぶべき?ワクチンの違いと選び方、副反応について
続いて、2種類あるワクチンの選び方について知っておきましょう。

生ワクチン(ビケン)vs 組換えワクチン(シングリックス)の違い
ビケンは1回の皮下注射で完了するので、来院回数や費用を抑えやすいです。ただし効果の持続は比較的短く、数年で低下していきます。
一方、シングリックスは2回の筋肉注射(通常は2カ月間隔)を要しますが、「予防効果が高く長期にわたり持続する」と報告されています。
副反応の比較:赤みや腫れ・発熱などはある?
ビケンの主な副反応は「注射部位の赤みやかゆみ」で、通常は数日で改善します。
シングリックスでは「注射部位の痛みや腫れ、筋肉痛、発熱や倦怠感など」が比較的多く見られますが、一過性の場合がほとんどです。
いずれにしても、重い副反応はまれとされています。
どちらが向いている?向いている人や医師の判断基準
どちらが良いかは、免疫状態や予防したい期間、通院回数、費用、既往歴や服薬状況から総合的に判断します。一般的には、以下のような選択結果が多いです。
・長期的な予防効果を重視/免疫が低下している ⇒シングリックス
・1回で済ませたい/費用を抑えたい ⇒ビケン
気になる点があれば、かかりつけ医や主治医と相談して決めましょう。
参考:厚生労働省リーフレット「帯状疱疹ワクチンの定期接種を実施します」(PDF)
帯状疱疹の予防接種も、大阪市福島区海老江の林クリニック
本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。
当院の診療科は皮膚科・内科・小児科・形成外科です。体調不良時の診療に加え、帯状疱疹の予防接種を含めた成人期・高齢期の健康管理までトータルにサポートしています。家族の健康維持についても、ぜひお気軽にご相談ください。