BLOG BLOG

咳・のどの痛みの6つの原因と最適な診療科|大阪市福島区海老江 林クリニック

2025.10.15

「咳が長引いている…もしかして風邪じゃないのでは?」

「のどがヒリヒリして声も出しづらい。仕事に行っても大丈夫?」

季節の変わり目や感染症の流行期には、咳やのどの痛みを訴える方が増えます。症状の背景には単なる風邪以外の要因が潜んでいることもあります。

本記事では、咳やのどの痛みで受診する目安や診療科の選び方、セルフケア方法について解説します。

この記事を読むとわかること

・ 咳・のどの痛みで多い6つの原因

・症状や状況に適した診療科の種類と選び方

・ 自宅でできるケアと注意点

1. 【6つの主な原因】咳・のどの痛みの背景にある病気は?

まずは、咳やのどの痛みを引き起こす6つの原因と受診の目安を知っておきましょう。

■風邪・アレルギー・感染症 など…咳・のどの不調、6つの主な原因

外来レベルで一般に頻度が高いのは「①ウイルス性上気道炎(いわゆる風邪)」です。

ほかには「②花粉やハウスダストによるアレルギー性の炎症」「③胃酸逆流(逆流性食道炎)」による刺激が引き金になることもあるでしょう。

「④声の使いすぎ、乾燥、たばこの煙」などの環境が要因となることもあります。

発熱・強い倦怠感・味覚嗅覚の異常・息苦しさといった症状が加わると、「⑤インフルエンザ」「⑥新型コロナウイルス」などの可能性があるため、検査で確認が必要です。

■病院に行くべき症状と市販薬で様子を見られるケース

全身状態が落ち着いていて痛みの程度が軽く、乾いた咳が始まって1週間以内なら、市販の解熱鎮痛薬やトローチで様子を見られる場合もあります。

ただし「38℃前後の発熱が続く」「呼吸が苦しい」「胸痛や血痰がある」「咳が3週間以上続く」「夜間に悪化して眠れない」「水分が摂れないほど痛い」などの場合は、早めに医療機関に相談してください。

また詳しくは3章で述べますが、子どもや高齢者・持病のある人はこの限りではありません。

■咳・のどのセルフケア(加湿・水分補給・市販薬の注意点など)

家でのセルフケアは、「潤す・休める・清潔に」を意識すると良いでしょう。

乾燥防止に室内の加湿を心がけ、温かい飲み物でのどを潤します。声の使いすぎを避け、安静にすることも大切です。

市販薬を使うときは成分の重複に注意してください。例えば、咳止めと総合感冒薬の両方にデキストロメトルファンや抗ヒスタミン薬が含まれていることがあります。

また、「のど飴」は唾液の分泌を促し、のどの乾燥感をやわらげる補助的な役割があるものの、痛みを緩和する効果には幅があります。薬やのど飴は、購入前に売り場の薬剤師に確認すると確実です。

2. 【内科・小児科・耳鼻科】最適な診療科の選び方と検査内容

咳やのどの痛みがあるとき、意外と悩むのが診療科の選択です。以下の4項目をヒントにしてみてはいかがでしょうか。

①耳鼻咽喉科:のどの痛み・声枯れ・耳と関係する症状に強い

耳鼻咽喉科は、のど(咽頭・喉頭)や鼻、耳の観察・処置が専門です。

特に、声がかすれる、飲み込みにくい、耳の痛みも伴うなどのケースや、扁桃炎・急性喉頭炎などは耳鼻咽喉科の領域です。

検査では、内視鏡で原因の部位を直接確認することがあります。

②内科:発熱や全身症状を伴う咳、風邪・感染症の診断に

発熱や倦怠感、関節痛など全身症状を伴うときは、まず内科に相談するのがおすすめです。

内科では、診察結果によりインフルエンザ・新型コロナウイルスなどの検査を行います。また、胸部X線撮影や採血を、肺炎やぜん息の可能性をチェックすることもあります。

③小児科:子どもの咳や夜間の症状に対応できる

乳幼児は症状の変化が速く、のどの症状から脱水や中耳炎を合併しやすい傾向があります。

夜間にゼーゼーする、犬が吠えるような咳(「クループ」が疑われます)が出る、高熱が出るといったときには、小児科へ相談しましょう。

※参考:大阪小児科医会「クループ(喉頭炎)と喉頭蓋炎」

④アレルギー科:花粉症やアレルギーが原因の咳・のどの不調に

花粉症に代表される季節性の鼻水・くしゃみ、後鼻漏(こうびろう:鼻水がのどに落ちる感じ)、長引く空咳などは、アレルギーも関連していることがあります。

抗ヒスタミン薬や点鼻薬、必要に応じて舌下免疫療法の適応を検討します。

3.咳が続く、のどが痛い… 年代別・症状別の注意点

同じ咳の症状でも、年齢や持病の有無によって注意すべき点が変わります。見落としたくないポイントを知っておきましょう。

■子どもの重症サイン:呼吸の速さ、唇の色など緊急チェック項目

発熱が続く、呼吸が速い、胸がペコペコへこむ、唇が紫っぽい、機嫌が極端に悪い/反応が乏しい、水分が取れない――このような症状が見られたら、早めに医師に相談しましょう。

解熱後もしつこい咳が続くときは「百日咳」などが疑われることもあります。

子どもの通う園や学校での感染症流行状況も確認しておくと診察がスムーズです。

※参考:厚生労働省「百日咳」

■大人の咳が長引くときに考えられる病気

咳が始まって3週間を超えるときは、咳ぜん息、後鼻漏、胃酸逆流、ACE阻害薬(高血圧薬)の副作用、「感染後咳嗽(かんせんごがいそう=呼吸器感染症の回復後に残る咳)」などが考えられます。

喫煙者や高齢者で、血痰・体重減少・息切れを伴うときは、肺がんや肺結核などの可能性がないか、胸部X線撮影やCT検査で調べることもあります。

※参考:大阪府結核予防会「結核とは」

■高齢者のリスク:脱水・誤嚥性肺炎の予防と受診目安

高齢者にとっては、脱水や誤嚥(ごえん=食べ物や唾液が気道に入ること)により、重症化しやすい点が大きなリスクです。

水分と栄養を確保し、食事の際にむせたり声が弱くなったりすることが多いなら、早めに受診しましょう。

基礎疾患や複数の薬を飲んでいる人は、薬の相互作用にも注意が必要です。

※参考: 日本呼吸器学会「A-12 誤嚥性肺炎」

気がかりな咳やのどの痛みは、大阪市福島区海老江の林クリニック

本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。

当院は内科・小児科に加え、高齢者医療にも注力しており、患者さんの世代を問いません。咳やのどの痛みが続く・悪化してきた、受診のタイミングに迷うというときにも、無理せず当院へご相談ください。

SERVICE