BLOG BLOG

食物などアレルギーの原因と対策|大阪市福島区海老江 林クリニック

2025.09.26

「急に少し息苦しくなった…もしかして、身体が何かに反応している?」

「食後、子どもにじんましんが…これって食物アレルギー?」

アレルギーは、現代の生活の中で多くの人が抱える身近な健康課題です。花粉や食物のアレルギーは年々患者数が増えており、本人や家族のみならず、周囲の人にも正しい知識と対応が必要とされています。

本記事では、子どもの食物アレルギーの特徴と受診の流れ、家族や周囲の人ができる日常生活の注意点を解説します。

この記事を読むとわかること

・アレルギーの基本と傾向、主な原因食材

・皮膚・消化器・呼吸器に出やすい症状

・家族や周囲の人が普段の生活で気をつけるべきポイント

1. アレルギーとは?症状と原因をわかりやすく解説

身近な食べ物や環境的な要因で、免疫が過敏反応する状態を「アレルギー」と呼びます。

■花粉症・ハウスダスト・食物など、多様なアレルギー性疾患

原因は食物だけでなく、花粉、ダニ・ハウスダスト、動物、金属や薬など多岐にわたります。

複数のものが重なると症状が強まることもあるため、季節や環境の変化、体調不良のタイミングを含めて経過を記録しておくと、診断に役立ちます。

■アレルギーは子どもから大人まで、誰にでも起こり得る

食物アレルギーは一般的に乳幼児に多く見られますが、思春期や成人になってから、新たな要因が見つかることもあります。

乳幼児期は皮膚症状が目立ちやすく、学童期以降は呼吸器や消化器の症状が加わる傾向があります。

また近年では、口から食べる以外に、皮膚の傷口や湿疹からアレルゲンが体内に入り、感作(アレルギーを起こしやすい状態)につながることも知られています。

■増えているアレルギー

アレルギーの人は、日本だけでなく欧米などの先進国でも増加傾向にあります。都市化や生活習慣の変化が背景にあるとされており、いまや世界的な課題となっています。

実際、国内における花粉症患者は、1998年に19.6%だった有病率が2019年には42.5%に達しました。また、6歳未満の子どもの食物アレルギーは、2010年には3.4%だったのが、2019年には5.7%へ増えたと論文で報告されています。

※参考:

環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」(PDF)

PubMed「Prevalence of food allergy in Japanese children and adults: A population-based study using health insurance claims data from 2010 to 2019」

2. アレルギーかな?と思ったら:診断と治療の流れ

実際にアレルギーが疑われる症状が出た場合、病院へ行くとどのような流れで診断を受けられるのでしょうか。

■問診・血液検査・皮膚検査

検査では、血液採取や皮膚接触によって、原因物質やそれに対する反応の強さを調べます。受診前に「食べた(接触した)もの・量・時間・症状・写真」などをメモしておくと良いでしょう。

ただし、検査結果は体調や年齢によって変わることがあるため、症状の出方など、担当医の総合的な判断が必要です。

■薬や生活指導など治療・管理の方法

かゆみには「抗ヒスタミン薬」、皮膚炎には「外用薬(ぬり薬)」、消化器症状には除去食の管理指導や対症療法などを組み合わせます。

重いアレルギー反応(アナフィラキシー)への備えとして、自己注射できるアドレナリン製剤(エピペン)が処方される場合もあります。

■アナフィラキシーのサインと緊急対応

アナフィラキシーとは、食物や薬などが原因で複数の臓器(皮膚や呼吸器、消化器など)に急速に症状が現れる、重い全身反応を指します。

顔色不良、ぐったり、息苦しさ、声のかすれ、唇・まぶたの急な腫れなどは、アナフィラキシーのサインです。

エピペンがある場合は指示に従って使用し、ためらわず119番に連絡して受診しましょう。

※参考:

国立成育医療研究センター「食物アレルギー」

日本小児アレルギー学会「アナフィラキシー/Q&A」

3. 食物アレルギーの原因食材と症状

次に、特に子どもに増加傾向のある食物アレルギーに関して説明しましょう。

■卵・牛乳・小麦・甲殻類・ナッツなど、代表的な食材

患者が多いと報告されている食材は、以下の通りです。

・鶏卵

・牛乳

・小麦

・甲殻類(えび・かになど)

・ピーナッツ

・そば

・木の実類(カシューナッツ、くるみ など)

・魚卵(いくら・たらこ など)

また原因食材の傾向は年齢によっても変わります。乳幼児では卵・牛乳・小麦が中心で、学童期以降は甲殻類、魚卵、そば、ナッツ類が増える傾向があります。

■皮膚・消化器・呼吸器に現れる症状

原因となるものが身体に入ると、さまざまな症状が現れます。

皮膚ではかゆみ、紅斑、じんましん、むくみなど。消化器では口の違和感、腹痛、嘔吐や下痢。呼吸器では咳、ぜいぜい、息苦しさがみられることがあります。

複数の症状が同時に出ると重症化の可能性があるため、早めの対処を心がけてください。

4. 日常生活での注意点:食品表示の見方と外食・学校対応

日常生活では原因物質を 「避けすぎず、油断しすぎず」のバランスが鍵です。

初めて買う商品は、ラベルの「特定原材料等」をチェックします。食事の内容については、必要に応じて栄養士に相談するのも良いでしょう。食卓を共にする家族や親族にもルールを共有しておきます。

外食の際は、店舗のアレルギー対応方針を事前に確認し、相談するのがおすすめです。ただし、完全には避けられない場合があるため、リスクと希望を具体的に伝え、無理のない選択をしましょう。

5. 地域や家族ができる、アレルギーを持つ人へのサポート

食物アレルギーは本人や家族だけでなく、周囲の理解も欠かせません。

現代では学校や園に対しても、子どもに応じた除去食の用意や、万が一の誤食時の対応方法について指導されています。保護者からも緊急連絡先や気をつけるべき点について伝えておきましょう。

友人や地域の人も、会食の機会があれば、参加者へ食事メニューについて事前に確認しておくのがおすすめです。本記事で紹介した原因物質や症状を知っておくと良いでしょう。

小児アレルギーの検査やご相談も、大阪市福島区海老江の林クリニック

本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。

当院は診療科目に小児科・皮膚科を擁し、患者さんの年代を問わず、これまでも多くのアレルギー症状を診察してまいりました。気にかかる症状や反応があれば、ぜひ一度ご相談ください。