高血圧が疑われたら…内科の受診目安と注意点|大阪市福島区海老江 林クリニック
2025.11.30「健診で血圧が高めと言われたけれど、すぐ内科に行くべき?」
「家で測ってみるとそれほど高くないなら、様子を見てもいい?」
年齢を重ねると、血圧をめぐる不安が少しずつ増えてきます。当院でも健康診断の「要再検査」の通知をきっかけに受診されるケースはよくあります。
本記事では、高血圧が疑われるときの内科受診の目安、受診までに自宅でできる工夫、受診後の流れや治療のイメージについて解説します。
この記事を読むとわかること
・血圧の基準と「受診を考えたい」目安の数値
・自宅でできる血圧測定と生活習慣の見直しポイント
・高血圧の身体と長く付き合っていくための考え方
1. 【基準数値】内科を受診すべき高血圧の目安
まずは、一般的な血圧の区分と、受診のきっかけとなる数値の目安を整理します。

■高血圧の分類:診察室と家庭での血圧基準値
日本高血圧学会では、診察室での血圧が「140/90mmHg以上」続く状況を「高血圧」と定めています。
家庭での血圧は少し低めに出る傾向があり、「135/85mmHg以上」が続けば、高血圧として扱われます。
■内科受診を検討したい血圧の基準(継続的な高値の場合)
健診で140/90mmHg前後を指摘され続けている人や、自宅で135/85mmHg以上が1~2週間続く人は、一度内科で相談しておくと安心です。
糖尿病や既往症がある人は、血圧が「少し高め」に出た段階から、体調の管理やセルフチェックを強化するよう心がけましょう。
■早めに医療機関を受診すべきケース
次のような症状を伴うときは、脳卒中や心筋梗塞などの危険があるため、急いで医療機関を受診してください。
・上が180以上、下が110以上のかなり高い値が出た
・今までに経験のない強い頭痛や胸の痛みがある
・ろれつが回らない、片側の手足に力が入りにくい、視界の急なかすみが出た
※参考:日本高血圧学会「高血圧の10 のファクト~国民の皆さんへ~」
2. 内科受診までの初期対応:正しい測定方法と生活チェック
高血圧が疑われるときも、落ち着いて確認できる手順を知っておけば、不安になりすぎずに次の行動へ移れます。
■家庭で正確な数値を記録するために:正しい血圧測定の方法
家庭では上腕式の血圧計を使い、測定前は1~2分座って安静に。
朝(起床後1時間以内・食前)と夜(就寝前)に、カフェイン摂取や喫煙、入浴後を避けて測ると安定した数値になりやすいです。
平均値を記録しておくと、受診時に役立ちます。
■高値が出た場合:血圧チェックの期間と頻度
高めの数値が出たら、朝と夜に毎日1~2週間測定して平均値を見るようにします。
頻度は年齢や生活リズムによっても変わるので、医師と相談して無理のないスタイルを決めましょう。
■放置は厳禁:脳卒中や心筋梗塞など、起こり得る将来的なリスク
高血圧は自覚症状がないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞などの原因になります。
慢性的に負担をかけつづけると血管の硬化が進むため、早めに対応すれば、将来的な病気予防にもつながります。
■内科受診前にできること:生活習慣の見直し「5つの要素」
血圧が「わずかに高い」段階であれば、「生活の中の小さな調整が効果につながった」という人もいます。
日頃から意識したい5つの要素が、「塩分・アルコール・体重・運動・喫煙」です。
ラーメンの汁は残す、晩酌を1杯減らす、歩く距離を少し増やすなど、無理なく変えられる習慣を選びましょう。
3. 内科での高血圧診療の流れ:検査内容と薬物治療の考え方
「受診するとすぐに投薬治療が始まるのだろうか」と不安になる人もいるかもしれません。そこで、実際の診療の流れを説明します。

■【初診時】採血、尿検査、心電図などの検査内容
初診では問診と血圧測定に加え、採血や尿検査、心電図などで体の状態を確認します。
多くが短時間で終わり、痛みが少ない検査が中心です。
■【治療方針】生活習慣の調整と薬物治療の違い
数値が少し高い程度であれば、まずは生活習慣の調整を続け、家庭血圧を見ながらリスクに応じて医師が薬の必要性を判断します。
一方、数値が高い場合や合併症がある場合には薬を用いることもありますが、少量から始めて微調整を加えていきます。
■【定期通院】落ち着いてからの目安は「1~3カ月に一度」
治療開始直後は数週間おきに様子を見ます。個人差があるものの、落ち着いてくれば1~3カ月に一度のペースを目安に通院するのが一般的です。
仕事や生活リズムと両立できるよう、主治医と相談しながら決めていきましょう。
4. 高血圧と長く付き合うために:体調変化に気づくコツ
高血圧は「短期間で完治を目指す」というより、「長く付き合いながらリスクを下げていく」疾患です。
■ 高血圧治療を継続するために:家族ができるサポート
一人では生活改善が続けにくい場合、家族やパートナーと一緒に取り組むのがおすすめです。
減塩メニューを共有したり、一緒に運動したりすることで継続しやすくなります。
■数値以外の体調観察も:息切れやむくみなど小さな変化に気づくコツ
血圧の数字だけにこだわりすぎず、息切れ・むくみ・片側のしびれなどの小さな変化にも気を配るようにしましょう。
「普段と違う」と感じる状況が続いたときには、家で計測した血圧の記録と合わせて早めに相談すると安心です。
■血圧は日々変動する:平均値に注目する考え方
血圧は日々変動するため、一回ごとの値に一喜一憂する必要はありません。
2週間ほどの平均値や、生活を見直してからの全体的な傾向に注目し、主治医と一緒にバランスを考えていきましょう。
高血圧・生活習慣病の相談なら、大阪市福島区海老江の林クリニック
本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。
当院は地域の「かかりつけ医」として、高血圧や糖尿病、脂質異常症など生活習慣病の診療をはじめ、発熱や風邪、皮膚トラブル、けがの診察まで幅広く対応しています。
「健診で血圧が高いと言われた」「高血圧気味と把握しているが、最近別の不調が気になる」という人は、お気軽に当院までご相談ください。