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健康診断の結果の見方を解説|大阪市福島区海老江 林クリニック

2025.08.29

「健診で異常値が出たと。これって病気?」

「この値、健診前日にうっかり不摂生してしまったのが原因だと思う」

健康診断の結果に「異常値」があると、不安になる方は少なくありません。しかし、健診自体を軽視しすぎるケースも問題です。健診は毎年受け、結果に正しく向き合う必要があります。

異常値=病気とは限りません。この記事では、健診結果の正しい読み取り方や、数値改善のための生活習慣の見直しについて解説します。

この記事を読むとわかること

・異常値が出た際にまず確認すべきポイントと受診の目安

・血圧・血液・尿・画像検査など主要項目の読み方と注意点

・健診後の二次検査や生活改善の進め方

1. 異常値が出た場合にまず確認すべきこと

健診で異常値が出ても慌てる必要はありません。基準値の意味や受診の目安を知ることが大切です。

■「異常値=病気」ではない理由(基準値の幅と個人差)

健診結果における基準値は統計的な目安であり、年齢・性別・体格・服薬歴などで適正範囲は変わります。特に高齢者は加齢による変化で数値が高め・低めになることがあります。

■一時的な数値変動のこともあるが、再検査はおろそかにしない

前日の食事や水分、睡眠不足、直前の運動や緊張で結果が変動することがあります。1回の結果で判断せず、過去の記録との比較や再検査で数値の安定を確認しましょう。

■すぐに受診が必要なケースとそうでないケース 

数値の変動が軽度で自覚症状もない場合は、経過観察や生活習慣の改善で様子を見ることも可能です。

一方、胸の痛みや息切れ、血尿、急な体重減少などの症状があれば、健診結果を待たずすぐに医療機関を受診しましょう。

2. 各検査項目の基本的な読み方と注意点

健診項目ごとの数値や判定には、それぞれ見るべきポイントがあります。基本的な読み方を押さえておきましょう。

①血圧・BMI(生活習慣病の初期兆候に注意)

血圧は高血圧・低血圧の判定に加え、高齢者では低血圧によるふらつきや転倒リスクにも注意が必要です。

BMIは肥満度の目安で、「25以上は肥満、18.5未満はやせ」とされますが、年齢や筋肉量による差も考慮します。継続的に測定して、変化を確認するのが重要です。

② 血液検査(血糖・コレステロール・肝機能など

血糖値やHbA1cは糖尿病リスクの指標、コレステロール値は動脈硬化や心疾患の予防に直結します。

肝機能(AST・ALT・γ-GTP)は飲酒習慣や薬の影響でも変動します。複数項目に同時異常がある場合は、内科での精査が必要です。

③尿検査・心電図・胸部X線

尿検査では、蛋白や糖の有無が腎疾患や糖尿病の手がかりになります。

心電図で不整脈や虚血性変化の有無を確認し、胸部X線では肺疾患や心肥大などの兆候を調べます。

これらは自覚症状がない人もいるため、結果の確認は欠かせません。

 3. 健康診断結果を正しく読み、対応するフロー

健診結果の数値や所見に応じ、受診や改善の進め方を押さえましょう。

■医師による二次検査や追加診察を受ける流れ

医療機関での再検査などを指示されたら、次の流れに沿って進めましょう。

①結果票を持参し、医師に結果を説明してもらう

②必要であれば二次検査や追加診察を予約する

③検査結果を踏まえ、治療や経過観察の方針を決定する

■再検査の予約と医療機関の選び方(かかりつけ医の活用

再検査は健診を受けた機関か、かかりつけ医・専門医が行います。

なお、複数の診療科がある医院は、生活習慣病の管理や内科的再検査だけでなく、皮膚のトラブルやケガの処置など、今後起こり得る不調にも対応できる可能性があります。かかりつけ医の候補として検討するのがおすすめです。

■生活習慣の見直しで改善が期待できることも

さらに、以下のような場合、日常の工夫でも数値が改善することがあります。

・血糖値が高め:食後の軽い散歩などを取り入れ、間食の習慣や食事内容を見直す

・コレステロールが高め:揚げ物やスナック類など、高脂肪食品の摂取を減らす

・肝機能数値が基準外:飲酒量を減らす、休肝日を設ける・増やす

とはいえ急な食事制限や過度な運動を避け、特に高齢の人は、医師と相談して進めると良いでしょう。

4. 健康維持のためにも毎年の健診と結果確認をしっかりと

さらに、統計や法律でも、健康診断を受ける重要性が示されています。

■新規がん患者の15.0%は健診で発見

令和5年度の厚生労働省の調査によると、2023(令和5)年の自覚症状がない外来患者のうち、「健康診断で指摘された」ために受診した人は45.2%で、項目のうち最多でした。この割合は年々上昇しています。

また、国立がん研究センターの統計によれば、同年に新たにがんと診断された人のうち、約7人に1人(15.0%)は、がん検診・健康診断・人間ドックが発見のきっかけと報告されています。症状が出る前に発見された割合としては決して低くなく、施設によっては3人に1人以上(最大約36%)に達する例もあります。

参考:

厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(確定数)」

国立がん研究センター がん情報サービス「2023年 院内がん登録全国集計」

■従業員の健康診断は企業に課せられた法的義務

なお、企業には法律で「従業員に健診を受けさせること」が義務づけられています。

個人にとっても、早期発見・対応によって総合的な医療費負担を減らせたり、生命保険・医療保険加入において審査がスムーズになったりと、健診にはさまざまな利点があります。

気になる健診結果があれば、大阪市福島区海老江の林クリニック

本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。

当院は駅近で駐車場も完備し、地域の皆さまが安心して健康管理を続けられるようサポートしています。再検査の指示や、家庭でできる生活習慣改善の進め方なども、ぜひお気軽にご相談ください。