この頭痛は何科へ行くべき?症状別に受診の目安を解説|大阪市福島区海老江 林クリニック
2025.11.30「最近頭痛がつらくて…何科を受診したらいい?」
「この痛み、脳か何かの病気じゃないかと不安で…」
頭痛は誰もが経験しうる症状ですが、日常の不調から重大な病気まで幅が広く、自己判断では不安が残りやすいものです。原因がわからないうちは「何科に行くのか迷う」という人も少なくありません。
本記事では、頭痛があるときの診療科の選び方や、症状による判断のポイントを解説します。
この記事を読むとわかること
・頭痛の代表的なタイプと、受診の目安
・頭痛で「何科」を受診すべきかの判断ガイドライン
・日常生活で気をつけたい頭痛の原因・セルフケア
1.【何科を受診?】頭痛の3タイプと診療科の選び方
頭痛の症状があるとき、初診の相談先としては次のような診療科が挙げられます。

■頭痛は「片頭痛・緊張型・二次性」の3タイプ
頭痛は大きく「片頭痛」「緊張型頭痛」「二次性頭痛」の3つに分けられます。
片頭痛はズキズキと脈打つ痛み、緊張型は頭全体を締めつけるような痛みが特徴です。一方、二次性頭痛は脳出血など別の病気が原因で起こります。
突然の激痛や麻痺を伴うときは二次性頭痛のサインの可能性があります。
■迷ったらまずは内科へ:感染症や血圧異常をチェック
最初の受診先としては、かかりつけの「一般内科」がおすすめです。
内科であれば、感染症や血圧の異常、脱水などが起こっていないかがわかります。脳神経外科や脳神経内科へ紹介されるケースもあります。
■ 首肩こり・姿勢由来の頭痛は整形外科など:姿勢の乱れが関係する場合
頭痛と同時に首や肩こりが続くとき、相談先の候補は「整形外科」や「リハビリテーション科」となります。
姿勢の乱れや筋肉の緊張に関連して筋骨格系に問題を起こしていることが要因の1つで、マッサージやストレッチ、軽い運動で症状が軽減するケースもあります。
■子どもの頭痛は小児科:受診を急ぐべき目安
子どもの頭痛は「小児科」が窓口になります。
内科的要因だけでなく、視力や耳鼻科疾患が関わっているパターンもあります。
発熱や嘔吐を伴ったり、頭をぶつけた後に痛みが続く、学校生活に支障をきたすほどつらいという場合は、医師に早めに相談してください。
※参考:日本頭痛学会「頭痛について知る」
2. それは「いつもの痛み」?頭痛の症状タイプ別特徴
片頭痛や緊張型頭痛は「いつもの痛み」と見過ごされがちですが、自分の症状がどのタイプに近いのかを知ると、対処しやすくなるでしょう。
■【片頭痛】ズキズキと脈打つ痛み、光・音・吐き気を伴う
ズキズキと脈を打つ痛みが特徴で、光や音、においに敏感になりやすく、吐き気を伴うこともあります。
日常動作により痛みが悪化しやすい点が、他の頭痛との大きな違いです。
■【緊張型頭痛】頭全体が重く締めつけられるような痛み
頭全体が重く締めつけられるように痛むのが特徴で、背景に首や肩のこりがある人も多いです。
他の頭痛と異なり、比較的「ゆっくり始まり、長時間続きやすい」という傾向があります。
■首の動きと連動する頭痛:姿勢の乱れとの関連性
首の動きで痛みが変化するなど、首・肩の張りが強くて頭痛につながる例も多いです。
このタイプの頭痛は、姿勢の乱れや首まわりの筋肉・関節の影響を受けやすい点が特徴です。
■子どもの頭痛:遊びへの集中力や行動の変化に注目
子どもは「遊びに集中していない」「朝にうなるような声をよく上げる」など、言葉よりも先に行動の変化として現れることもあります。
子どもは自分で症状を言語化しにくいため、保護者や園・学校でも連携して、大人がこまめに聞き取るようにしてください。
■高齢者の頭痛:脳卒中や硬膜下血腫の可能性に要注意
高齢者では、脳卒中や慢性硬膜下血腫が隠れているケースもあります。
今までにないほどの強い痛みや、頭部外傷後に続く痛み、麻痺や意識の変化を伴うときはすぐに医療機関を受診してください。
3. 姿勢・ストレス・生活習慣など…頭痛の主な原因と対策
姿勢や筋肉の緊張のほか、ストレス、生活習慣が引き金で起こる頭痛も多いです。原因であるこれらについて説明しましょう。

■【姿勢固定・筋緊張】首への負担が増えるメカニズムと改善策
長時間の姿勢固定は、首や肩の筋緊張を強め血流を悪くするリスクがあります。またスマートフォンをのぞき込む姿勢が習慣化すると、頭が前に出る「ストレートネック」の一因となり、首周囲の負担が増えます。
予防策として、モニターを目線の高さに、椅子は足裏が床につく高さに調整し、ひじが90度になる位置にキーボードを置くとよいでしょう。
また、1時間に1度の軽いストレッチを積極的に取り入れましょう。
■【ストレス】片頭痛・緊張型頭痛につながる精神的な疲れ
日常生活や環境も頭痛に大きく関わります。特にストレスは片頭痛・緊張型頭痛どちらにも影響する要素とされています。
睡眠不足や精神的な疲れが続くと、痛みを強く感じたり頻度が増えたりする例もあります。
■【生活習慣】飲酒・喫煙・鎮痛薬の常用など
そのほか、睡眠の乱れや過度の飲酒・喫煙、カフェインや甘い飲み物の摂り過ぎ、鎮痛薬の常用なども頭痛を悪化させる原因になります。
生活習慣の改善は、それだけで頭痛を完治できるものではないにせよ、治療を進めるうえでは欠かせません。
4. 【Q&A】頭痛についてのよくある質問
最後に、頭痛に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
■よくある質問① 市販の頭痛薬を飲み続けても大丈夫?
短期間の連続服用は問題ないとされていますが、月に10日以上続けると「薬物乱用頭痛」のリスクも生じます。「痛み止めの量が増えている」と感じた時点で、内科への相談をおすすめします。
■よくある質問② 慢性頭痛で、何をきっかけに受診すべきか迷います。
「頭痛で生活に支障がある」「市販薬が効きにくい」「頭痛の日が10日を超える」といった場合が基準のひとつです。
■よくある質問③ 更年期障害で頭痛になることもある?
はい、ホルモンバランスの変化による頭痛症状もあります。片頭痛が強くなったり、肩こり・自律神経の乱れと同時に現れる人もいます。内科や婦人科で相談してください。
※参考:日本女性医学会「頭痛 頭が重い」
■よくある質問④ 不定愁訴(明確な原因がはっきりしない不調)による頭痛とは、どう付き合えば良いですか?
季節の変わり目や疲労が続く時期などに、特に頭痛を感じやすくなる人もいます。軽度であれば生活習慣を見直して様子を見てみましょう。
肩こり・めまい・疲労感など複数の不調が重なったり、長く続いたりするときは自己判断せず、かかりつけ医へ相談しましょう。
頭痛症状の相談なら、大阪市福島区海老江の林クリニック
本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。
頭痛については、内科・整形外科・小児科が連携し、必要に応じて専門医療機関とも協力しながら診療しています。「どの科に行けばよいかわからない」「痛みが続いて不安」という方は、一度当院へご相談ください。