湿疹が治らない?乳児から成人まで年代別特徴と対処法|大阪市福島区海老江 林クリニック
2025.08.29「子どもの湿疹、自然に治るのか病院に行くべきか迷う…」
「小児性湿疹かもしれない…小児科と皮膚科、どちらを受診すればいい?」
湿疹は乳児から高齢者まで、年齢や体質、生活環境によって原因や対処法が異なります。特に子どもは成長段階ごとに症状やケアのポイントが変わるため、適切な判断が大切です。
この記事では年代別の特徴と日々のケアについて気を付けたい点から、受診の目安まで解説します。
この記事を読むとわかること
・年齢別に異なる湿疹の原因と特徴
・家庭でできる基本的な湿疹ケアと受診の判断基準
・一般的な湿疹症状とアトピーとの違いや薬の正しい使い方
1. 年代別に見る湿疹の原因と対処法
湿疹は年代によって原因や現れ方が異なり、ケアの方法も変わります。ここでは乳児から高齢者まで、それぞれの特徴と注意点を解説します。

■乳児(赤ちゃん)が発症する湿疹:特徴とよく見られる病気
乳児期は皮脂分泌や母体ホルモンの影響で、新生児ニキビや脂漏性(しろうせい)湿疹が生じやすくなります。生後2〜3か月までは皮脂量が多く、頭皮や顔にかさつきや赤みが出ることがあります。
おむつの蒸れや摩擦による「おむつかぶれ」や、発熱を伴う「突発性発疹」もよく見られます。
■幼児〜学童期(小学生)の湿疹:年齢ごとの原因とポイント
幼児〜学童期は、あせもやほこり、化学繊維や金属などによる接触性皮膚炎、虫刺されなどが多く見られます。発症部位のかき壊しやなめまわしを繰り返すと治りにくくなるので、早めの受診がおすすめです。
また、感染性の皮膚炎が園や学校で広がるケースも。他者への感染を防ぐ意味でも、衣類や寝具を清潔に保つよう心がけましょう。
■中高生〜成人の湿疹:生活習慣やストレスとの関係
思春期以降はニキビや脂漏性皮膚炎、ストレスや睡眠不足による肌荒れが増えます。化粧品や整髪料の刺激、紫外線も要因の1つです。
生活習慣の見直しと肌に合ったスキンケアを心がけ、刺激の強い化粧品や相性の良くない市販薬の使用は避けましょう。
■高齢者の湿疹:乾燥・疾患との関係と注意点
高齢期は皮脂分泌が減少し、乾燥性湿疹や掻痒症(そうようしょう)が起こりやすくなります。糖尿病や腎疾患の影響や、薬が由来の湿疹にも注意しましょう。
予防には、室内の湿度を保つこと、入浴直後に肌の保湿を習慣化することが有効です。
2. 小児性湿疹は小児科と皮膚科、どちらを受診すべき?
小児性湿疹は、発熱や全身症状が見られるときや、他の感染症との区別が必要なときは小児科の受診が適しています。
一方、皮膚の症状が中心で、長引く・繰り返す・原因が不明というケースであれば、皮膚科での専門的診断が有効です。
もし家の近くに両方の診療科を備えているクリニックがあれば、ぜひ候補に入れてみてください。
3. 家庭でできる湿疹ケアと受診の判断軸
湿疹は、日常のちょっとした工夫で悪化を防げることもあります。ここではホームケアの基本と、受診を検討すべきサインを整理します。

■保湿・衣類・入浴など、家庭での基本ケア
湿疹の予防や悪化防止には、肌の清潔と保湿が欠かせません。
入浴後はできるだけ早く気になる部位に保湿剤を塗り、衣類は通気性の良い綿を中心とした素材を選びましょう。
入浴時はぬるめの湯を使い、肌をこすらずやさしく洗うのがポイントです。
■湿疹が悪化したときのセルフチェックポイント
これらの症状や傾向が見られたら、早めに医療機関を受診しましょう。
□赤みや腫れが広がっている
□膿やかさぶたができている
□強いかゆみで夜眠れない
□発熱や全身の倦怠感を伴う
□1週間以上症状が続く、または何度も再発する
□感染症(とびひ・ウイルス性発疹など)の可能性がある
■市販薬の使い方と、医療機関を受診するタイミングの目安
市販の抗ヒスタミン薬や低〜中等度のステロイド外用薬は、短期間のかゆみ軽減に有効ですが、2〜3日使用しても改善しない場合、自己判断で続けず受診してください。
さらに、広範囲の湿疹や、膿や発熱を伴うときには注意が必要です。市販薬のみでの対応は避け、医師の診断を仰ぐほうが安全です。
4. 湿疹治療の正しい理解と判断のために
誤解や自己判断が悪化の原因になることもあります。ここでは正しい知識をもとに、治療や医療機関との付き合い方を解説します。
■小児性湿疹とアトピー性皮膚炎との違いを見極めるポイント
小児性湿疹とアトピー性皮膚炎は症状が似ていますが、経過や特徴に違いがあります。
- 小児性湿疹は経過が比較的短い一時的な皮膚炎で、成長とともに軽快することが多い
- アトピー性皮膚炎は慢性的に症状が続き、再発を繰り返す傾向がある
- アトピー性皮膚炎は家族歴やアレルギー体質の有無が判断材料となり、季節や環境要因との関連性がみられることも多い
いずれにしても最終的な診断は自己判断ではなく医師による診察が必要です。
■ステロイドなど薬の使用と誤解
ステロイド外用薬は、医師の指示通りの量や用法を守る限り「怖い薬」ではありません。
「クセになる」「皮膚が薄くなる」といった情報は、根拠がない誤解です。正しい知識にもとづく使用が必要です。
ただし、どんな薬であっても、自己判断で強い薬を長期使用してはいけません。症状が改善しても急に中止せず、医師と相談しながら段階的に減量するようにしましょう。
さまざまな年代の湿疹の相談・治療は、大阪市福島区海老江の林クリニック
本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。
当院は小児科・皮膚科を擁し、高齢者医療にも強みがあるクリニックです。駅近・駐車場完備で通いやすく、家族の健康管理をトータルでサポートします。子どもの体調不良時の診療のほか、予防接種や発達上の気がかりなどについてもぜひご相談ください。