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約80万人が悩む、大人と子どものアトピー対策ガイド|大阪市福島区海老江 林クリニック

2025.10.15

「子どもの肌荒れ、もしかしてただの乾燥肌じゃないのでは?」

「アトピーかもしれないけど、どのタイミングで病院に行けばいいの?」

当院の印象としても、季節の変わり目や環境の変化にともない、アトピー性皮膚炎のご相談が増えています。特に最近は、子どもだけでなく大人のアトピーについての相談が多く見られます。

本記事では、アトピーの基本からセルフケアの工夫、受診の目安について解説します。

この記事を読むとわかること

・アトピーの基礎知識と症状の特徴

・大人と子どものアトピー対策

・アトピーの診断・治療に関するよくある疑問とその回答

1. アトピー性皮膚炎とは?症状・原因の基本知識

まずはアトピーの基本的な特徴と、受診前に準備しておきたいことを確認してみましょう。

■強いかゆみと湿疹を繰り返す、アトピーの代表的な症状と原因

アトピー性皮膚炎は、強いかゆみと湿疹を繰り返す慢性的な皮膚の病気です。

体質的な要因に加え、ダニや花粉、ストレス、汗などの環境要因が重なって症状が現れるとされています。乾燥肌によるバリア機能の低下も、発症に深く関係するといわれています。

■アトピー性皮膚炎は増えている?最新データから見る現状

厚生労働省の患者調査によると、日本におけるアトピー性皮膚炎の推計患者数は、1984(昭和59)年の「約20万人」から、2023(令和5)年には「約78万人」と報告されています。

調査年によって診断分類や算出方法が異なるため単純比較はできませんが、一般的に、患者数は「長期にわたって増加傾向」と解釈されています。

※参考:厚生労働省「令和5年 患者調査 傷病分類編(傷病別年次推移表)」

■ 【受診前のチェック】診断がスムーズになる準備リスト

例えば「かゆみで夜眠れない」「市販薬を使っても改善しない」「炎症が広がっている」などの場合には、医師への相談を検討してください。

事前に以下の情報をまとめておくと、医師の診断がスムーズに進みやすくなります。

①症状の出る部位や時期を記録したメモ

②使用しているスキンケア用品や薬

③家族のアレルギー歴

2. ストレスが影響?大人になってからのアトピー対策

「子どもの頃はなかったのに、大人になってから発症した」という事例も珍しくありません。大人のアトピーには独特の特徴があります。

■ストレス・生活習慣…大人に多いアトピーの特徴

大人のアトピーは、「ストレスや生活習慣の乱れ、仕事による疲労が悪化要因になりやすい」とされています。

また、首や顔、手など「人目につきやすい部分に出やすい」点も特徴です。

ストレスや睡眠不足、不規則な食生活が重なると、症状が慢性化することがあります。

■日常でできるスキンケアの3つのコツと市販薬の限界点

アトピー症状の改善には、日常生活の中で取り組める工夫も少なくありません。基本は「こまめな保湿」「低刺激の石けんや入浴剤を選ぶ」「汗をためないよう短時間で入浴する」の3点です。

市販の保湿剤や軽度の炎症に対応する薬が役立つこともありますが、効果が長続きしない場合や患部に広がりが見られる場合は、必ず医師に相談するようにしましょう。

※参考:アレルギーポータル「アトピー性皮膚炎」

3. 成長段階別・子どものアトピー症状とホームケアのポイント

一方、子どもの場合は成長にともなって症状の出方が変わることもあります。

■乳児期・幼児期で変わる、症状が出やすい部位と受診すべき3つのサイン

乳児期は顔や頭に、幼児期以降はひじやひざ裏に症状が出やすいとされます。

以下のような症状が見られたら、早めに医療機関を受診するのがおすすめです。

1.かき壊して血が出る

2.ジュクジュクした部分がある

3.熱を持っていて何かに感染しているように見受けられる

■家庭でできるスキンケアのポイント──正しい洗い方と入浴後すぐの保湿

家庭での対応としては、毎日の入浴やシャワー、刺激の少ない石けんでやさしく洗うこと、入浴後すぐに保湿をすることが重要です。

「短時間の入浴で汗や汚れを落とす」「保湿剤をすぐに塗布する」といった日々の小さな積み重ねが、皮膚のバリア機能回復につながります。

※参考:日本皮膚科学会「皮膚科Q&A | アトピー性皮膚炎」

4.  よくある質問(FAQ)

最後に、よくお寄せいただく質問を3つまとめました。

Q1.大人になってから急にアトピーになることはある?

はい、可能性はあります。体質に加え、ストレスや生活環境の影響が大きく関与します。

Q2.子どものアトピーは自然に治ることもある?

成長とともに軽快する場合もありますが、楽観視しすぎずケアを続けることが大事です。

Q3.食事や生活習慣で気をつけるべきことは?

すべての健康管理の基本ですが、「規則正しい生活、十分な睡眠、バランスの取れた食事」を心がけましょう。特定の食材を自己判断で除去するのは避け、必要に応じて医師に相談しましょう。

アトピーのご相談なら、大阪市福島区海老江の林クリニック

本記事は、大阪市福島区海老江にある「林クリニック」林為仁医師の監修のもと作成されています。当院は皮膚科・小児科を中心に、アトピー性皮膚炎の診断や治療、スキンケア指導も行っています。

阪神本線「淀川駅」「野田駅」および大阪メトロ千日前線「野田阪神駅」、JR東西線「海老江駅」からも徒歩圏内で、駐車場も完備。アトピーに関するお悩みも、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

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